営業部の南家です。
山々が新緑に彩られる季節は、里山の大地も様々な野草で溢れています
“カラスノエンドウ 烏野豌豆”は、今年も3月頃から可愛い花を咲かせてくれました
☆科名:マメ科
☆属名:ソラマメ属
☆学名:Vicia angustifolia
☆英名:Narrow leaved vetch
☆別名:「矢筈豌豆(やはずえんどう)」。
葉の先端がくぼみ、 矢筈形になることから名づけられたとか・・・
(植物学的局面では、標準的に用いられる和名)。
☆名前の由来:花は「マメ科、エンドウ豆」と同種、そして食べられるので“エンドウ”と命名。
5月01日
5月01日
『“カラスノ・・・”は??
昔の大きさのたとえは、小さいと「スズメ」、それより大きいと「カラス」だったとか・・・』
“カラスノエンドウ”に比べて、全体に小さい「スズメノエンドウ(雀野豌豆)」。
“カラスノエンドウ”と「スズメノエンドウ」の中間の大きさのものは「カスマグサ(かす間草=カラスのカとスズメのスの間の意味)」と呼ばれています。
☆原産地:オリエントから地中海地方
☆分布:本州~四国、九州、沖縄の日当たりが良い野原や土手など。世界的に温帯地域の穀物畑、牧草地、遊園地などにも・・・
☆草丈50cm~150cm。越年草。
☆草遊び:実ったさやを割って種を除き、さやの片方をちぎって吹くと、ピーッと音が出て、子どもたちが「シービービー」「ピーピー豆」などと呼んで鳴らして遊ぶそうです。
花や豆になる時期の全草を、日干しにして乾燥したものを煎じて服用する。
胃炎・健胃・血行促進・咳止め・消化促進・利尿・解熱などに効果があるとか・・・
若芽・若葉・青い幼豆果は、炒めたり、天ぷら、油炒め、湯がいて和え物、汁物などで食します
新芽や豆は、昆虫達も大好物です
“カラスノエンドウ”付近の植物は、「アブラムシ」などの被害が軽減されるそうです。
☆もうひとつの名前の由来:豆果が黒く熟す様子が、「カラス」に例えられたとか・・・
5月20日 黒い豆果
古代では、エンドウ豆等と同じように栽培されていたそうです。
根にはマメ科植物の特徴である、根粒が出来ます。
成長した“カラスノエンドウ”を土壌に鋤き込めば、肥料(緑肥)になり役立つと思います
(根粒についての詳細は身近な理科室をクリックしてください)。
新鮮な莢から出したばかりの生豆を食べてみました。
おいし~い、甘さもあります
おいし~い、甘さもあります
莢ごと湯がきました。
幼い莢は柔らか。少し成長した豆は莢がしっかりしているで天ぷらが良いかもしれません。
豆はやはり、美味し~い
「野菜のエンドウ」に挟まれた“カラスノエンドウ”未成熟豆果(小さな緑の粒)、成熟豆果(小さな黒い粒)
春から初夏の間の“カラスノエンドウ”を、初めて観察しました
優しい花が咲く野草が、色々な力を秘めて、遥か古代から脈々と命を繋げてきたとは・・・
益々魅了される植物を知り、また訪れる春が一段と楽しめそうです
追記
『 昔の大きさのたとえは、小さいと「スズメ」、それより大きいと「カラス」だったとか・・・』
5月6日我が家の植物たち(78)スズメノテッポウ/セトガヤの”スズメノテッポウ”よりも大きな、「カラスノテッポウ」を知りたくなりました
「カラスビシャクス」が「カラスノテッポウ」と呼ばれることもあるそうです。
でも「カラスビシャクス」はサトイモ科、“スズメノテッポウ”はイネ科。
形態も、大きな“スズメノテッポウ”とは思われません
残念ですが、「カラスノテッポウ」は見つかりませんでした